修理事例がございましたので、ご紹介させていただきます。
当店でお買い求めいただく自転車につきましては、お客様へお渡しする前に、すべての車体を一度分解し、各部のチェック、必要箇所へのグリスアップ、注油、調整を行ったうえで、改めて組み立てをして納車しております。
「なぜそこまで細かい作業を行うのか」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
その理由はとてもシンプルで、お客様に新車の良いコンディションをできるだけ長く維持しながら、安全で快適な状態で乗り続けていただきたいからです。自転車にもよりますがこの作業だけでお願いすると自転車組み直し作業として15000円~35000円費用となります。(当店では、新車時に無料で作業を行っております。)
多くの車体が最終的な仕上げを販売店で行うことを前提として出荷されています。
外見上はしっかり組み上がっているように見えても、内部の状態まで確認すると、
グリスが十分に入っていない箇所があったり、締め付けトルクにばらつきがあったり、
細かな調整が必要なケースは決して少なくありません。
もちろん、工場側でもしっかりと組み立ては行われています。
ただし、製造される台数は非常に多く、ライン作業の中で組み上げられているため、どうしても個体差が生じます。しっかりとグリスが充填されているものもあれば、必要最低限しか入っていないものもあります。これは特定のメーカーが悪いという話ではなく、それぞれの工場の組み立て基準や工程の違いによるものです。
また、自転車に限らず工業製品というものは、どうしても多少のばらつきが生じます。
そして組み立て作業は最終的に人の手が関わります。
どれだけ優れた工場でも、どれだけ経験豊富なスタッフでも、人が行う以上、
確認漏れや小さなミスがゼロになることはありません。
これは決してメーカーや工場を批判しているわけではありません。
当店も同じく人の手で作業を行っておりますので、ミスが起こりうることは十分理解しております。だからこそ当店では、そのリスクをできる限り減らすために、メーカーから届いた状態をそのままお客様へお渡しすることはしておりません。一度しっかりと分解し、各部を確認し、必要な処置を行ったうえで責任を持って組み直しております。
例えば、ヘッドパーツやボトムブラケット、ハブ周辺などの回転部分は、グリスの量や質によって耐久性や回転性能に大きな差が生まれます。
グリスが不足した状態で使用を続けると、内部に水分や汚れが侵入しやすくなり、錆や摩耗が進行します。最初は目に見えないわずかな違いでも、数か月、数年と乗り続けるうちに、その差は大きく現れます。

今回ご紹介する事例も、まさにそうしたケースでした。
内部を確認したところ、錆さびでベアリングの機能が崩壊しており、回転不良により他の部分への負担がおおきくなり大事故つながる可能性がある状態でした。
極端な例では、グリス不足のまま長期間使用されたことでベアリング内部が著しく摩耗し、回転不良や異音、さらには固着など、安全性に関わる深刻なトラブルにつながることもあります。そうしたトラブルを未然に防ぐためにも、納車前の初期整備と定期的なメンテナンスは非常に重要です。

▲交換後(通常はこのような状態です。)
当店では、単に組み立てるだけではなく、「この一台を自分が乗るとしたらどう仕上げるか」という視点で、一台一台丁寧に向き合っています。締め付けトルクの確認、変速調整、ブレーキ調整、各部の作動確認まで細かくチェックし、安心してお乗りいただける状態に仕上げています。
こうした作業は、完成した後にはほとんど見えなくなってしまう部分です。
見た目だけでは違いがわかりにくいからこそ、その価値が伝わりづらいこともあります。
見えない部分こそ丁寧に仕上げることが、安全性や快適性、そして長く愛着を持って乗っていただけることにつながると、私たちは考えています。なかなか目に見えない作業ではありますが、こうした取り組みの大切さをご理解いただける方が一人でも増えれば嬉しく思っております。
これからも当店では、安心して長くお乗りいただける自転車をお届けしてまいります。
また、修理やメンテナンスにつきましても、お客様のご予算やご要望をしっかりとお伺いし、ご相談のうえでご予算に合わせた作業内容をご提案・進めさせていただくことが可能です。「どこまで整備したらよいかわからない」「できるだけ費用を抑えながら必要な部分だけ直したい」といったご相談も大歓迎です。
気になる異音や違和感、小さな不具合でも、そのままにしてしまうことで大きなトラブルにつながる場合もございますので、何かお気づきの点がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
上越地域の自転車カスタマーセンターより。
